検索結果 全1015作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 俳句 松本 たかし 能役者

    秋扇や生れながらに能役者 踊見る踊疲れを憩ひつつ 夜学児の暗き項(うなじ)のくぼみかな 時雨傘開きたしかめ貸しにけり 忽然(こつねん)と凧が下りきし軒の空 十棹とはあらぬ渡しや水の秋 <p

  • 随筆・エッセイ 松本 幸四郎 役者幸四郎の俳遊俳談

    目次歌舞伎役者と俳句初めての句Haikuhas everything「アマデウス」のこと玉堂先生と祖父修善寺新井旅館のこと虚子先生のこと</a

  • 俳句 松本 幸四郎 句集「仙翁花」(抄)

    花舞台 平成二十年十月 東大寺千年の佛千回の花役者打ちあげて笑顔のならぶ初芝居花冷のもの憂き流れ吉野川ぼうたんの風にほひけりをぎの髪早春にハムレット舞ひ語りけり朱夏の陽にまどろむでゐる役者かな<p class="haiku

  • 随筆・エッセイ 松本 昌次 戦後文学と編集者(抄)

    目次花田清輝平野 謙武田泰淳竹内 好富士正晴丸岡秀子井上光晴渡辺 清 <a na

  • 小説 松本 侑子 花の寝床

    少年を抱きながら薄目をあけて灰色の海を見ていた。薄曇りの夕暮れで、凪(な)いでいた。 古いテトラポッドが無造作に積まれた護岸にふちどられて、海は、鈍い色に光り、たふたふと揺れている。もったりと重く上下する海面は、岸の手前でふいに力を増してせりあがり、白い波頭がちらちらとはじけ、やがてテトラポッドの隙間(すきま)に溶けるように消えていく。 殺風景な海岸にたつ宿

  • 評論・研究 松本 侑子 赤毛のアンに隠されたシェイクスピア

    * 題辞 王たちの大理石の墓も、金に輝く記念碑も この力ある詩より長くは生き残らない シェイクスピア、ソネット五十五 * まえがき 『赤毛のアン』の迷宮へ 初めて原書で『赤毛のアン』を読んだとき、なんだか不思議な文章がしばしば出てくることに気づいた。いかにも昔風の言葉

  • 小説 上司 小劍 鱧の皮

    一 郵便配達が巡査のやうな靴音をさして入つて来た。 「福島磯(いそ)……といふ人が居ますか。」 彼は焦々(いらいら)した調子でかう言つて、束になつた葉書や手紙の中から、赤い印紙を二枚貼(は)つた封の厚いのを取り出し

  • ノンフィクション 上村 信太郎 ギアナ高地の秘峰ロライマ探険記

    序 南米大陸の北東部、アマゾン河以北に拡がるギアナ高地の奥は「地球最後の秘境」とも言われているように、スペース・シャトルが宇宙を駆け巡る今日でもなお、文明の光が届かない隔絶された僻地である。 このギアナ高地の奥深く、赤道からわずか五度北に位置しブラジル、ガイアナ、ベネズエラ三国がまじわるところに、インディオが「悪魔の山」と畏れる伝説の山ロライマ(二八一〇メートル)が聳えている。この山は、すでに一世紀も前に英国隊によって初登頂され、その後、コナン・ドイルがロライマをモデルにした小説『失われた世界』を書いたことは知られていても、深いジャングルの中に

  • 俳句 上村 占魚 みそさざい

    とろとろと火を吐きにけり蛇の舌 ◇句集『鮎』より 人の顔見つつたべゐる夜食かな 潮満ちてくれば鳴きけり川千鳥 老鴬や先なる舟は瀬にかかる 球磨川下り 友死すと掲示してあり休暇明 一茶忌や我も母なく育ちたる </

  • 小説 上田 周二 深夜のビルディング

    ぼくは推理小説の翻訳の下請けなどで暮らしているいささか風変わりな中年男である。ぼくの昼間の時間は、殆んど翻訳の仕事でつぶされる。ぼくはTOKYOという大都会の裏町に、亡くなった両親から引継いだ古びた一軒の家を持ち、昼間はそのなかに閉じこもって翻訳の仕事を続ける。ぼくは世間の人たちから変わり者と言われても仕方がないと思う。なにせ、もう鬢に白いものが混じる年齢だというのに妻を娶らず奇妙な暮らしをしているのだから。つまり、昼間は蟄居していて、辺りが暗くなると、夜行性の動物のように外を出歩くのだ。なぜ昼ではなくて夜出歩くのだろうか。人にそう問われたとしても、ぼくはその訳は言うまい。訳を言ったと

  • 上田 敏 海潮音(抄)

    薄暮の曲 シャルル・ボドレエル 時こそ今は水枝(みづえ)さす、こぬれに花の顫ふころ、 花は薫(くん)じて追風(おひかぜ)に、不断の

  • 短歌 上島 史朗 比叡・愛宕嶺

    加茂川にゆりかもめ間近くとびかうは「昔男」の知らざりし景 川岸のバス停に降り暫くをゆりかもめ舞いたつ様を見て佇(た)つ パン屑を投げ与えいし人去りてゆりかもめ所詮は川瀬に泛(うか)ぶ 鴨川のゆりかもめ琵琶湖を塒(ねぐら<rp

  • 評論・研究 城塚 朋和 富岡鉄斎と宜興紫砂器

    初めに 『銕荘茶譜 瓷壷之部』と題され袖珍版(15cm×9.4cm)、四十六頁、四つ目綴の一書、内扉に「周高起伯起原本 銕斎居士訳 宣興瓷壷譜 蕉陰艸堂蔵」とある。 富岡鉄斎が慶応三年(1867)十一月十三日の日付で、明、周高起による宜興紫砂壷(紫泥、朱泥の急須)の創始とその作家列伝を記した「陽羨茗壷系」を抄訳したものである。ただし表題に「宣興(センコウ)」とあるは「宜興」の間違い。 <p

  • 評論・研究 植村 正久 宗教と文學

    宗教の相関する所や広し、文学豈(あに)独り此の関係に漏れんや。されどもヒポコンデル的宗教家は謂(おも)へらく、凡そ文学と称するもの、其の詩たると小説たるとを問はず、宗教思想の鴆毒(ちんどく)にあらざるはなしと。而して俗臭的文学者は謂(おも</

  • 評論・研究 植村 八潮 大学出版部はオールドファッションか

    《目次》大学出版部への注目」大学出版部設立ブームの実態」紙の出版への憧憬」 大学出版部への注目 このところ大学出版部をめぐって、いくつかの話題が提供されている。直近では4月に開催された東京外国語大学出版会の

  • 評論・研究 植木 枝盛 日本國國憲案 附・大日本帝國憲法

    第一編 國家大則及権限 第一章 國家ノ大則 第二章 國家ノ権限 第二編 聯邦大則及権限 竝ニ各州ト相関スル法 第一章 聯邦ノ大則 第二章 聯邦ノ権限竝ニ各州ト相関スル法 第三編 各州ノ権限及聯邦ト相関スル法 第四編 日本國民及日本人民ノ自由権利 第五編 皇帝皇族及摂政 第一章 皇帝ノ威厳 第二章 皇帝ノ権限 第三章 皇帝及皇帝ノ継承 第四章 皇帝ノ即位 第五章 皇帝ノ婚姻 第六章 ...

  • 小説 織田 作之助

    登勢は一人娘である。弟や妹のないのが寂しく、生んで下さいとせがんでも、そのたび母の耳を赧(あか)くさせながら、何年かたち十四歳に母は五十一で思ひがけず妊(みごも)つた。母はまた赧くなり、そして女の子を生んだがその代り母はとられた。すぐ乳母(うば)を雇ひ入れたところ、折柄乳母はかぜけがあり、それがう

  • 評論・研究 色川 大吉 自由民権 請願の波

    馬上の人 河野広中(こうのひろなか)といえば、東北では板垣退助とならぶほどの評判だった。 福島県三春(みはる)の郷士(ごうし)、呉服太物(

  • 小説 新井 紀一 怒れる高村軍曹

    一 消灯喇叭(らつぱ)が鳴つて、電灯が消えて了つてからも暫くは、高村軍曹は眼先きをチラチラする新入兵たちの顔や姿に悩まされてゐた。悩まされてゐた――と云ふのは、この場合適当でないかもしれない。いざ、と云ふ時には自分の身代りにもなつて呉れる者、骨を拾つても呉れる者、その愛すべきものを自分は今、これから二ケ年と云ふもの手塩に

  • 随筆・エッセイ 新井 満 『木を植えた男』と出会って

    ある日のこと、妻が一冊の絵本を持って書斎に入ってくると、こんなことを言った。 「これ面白いわよ、お読みになったら…」 そのとき私は講演の準備をしていたので、今はそれどころじゃないんだと、断ろうとしたのだが、 「感動的なお話なのよ。もう涙なしには読めないのよ。おねがいだから、今すぐ読んでちょうだい。一生のおねがい」 妻はなおもたたみかけてくるのだ。もっとも彼女が言う「一生のおねがい」は、一週間に一度くらいのぺースで耳にするので、あまり説得力はない。しかし、文学にはうるさい方の妻をそこまで感動させた絵本とは、いったいどんな