検索結果 全1000作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 評論・研究 植木 枝盛 日本國國憲案 附・大日本帝國憲法

    第一編 國家大則及権限 第一章 國家ノ大則 第二章 國家ノ権限 第二編 聯邦大則及権限 竝ニ各州ト相関スル法 第一章 聯邦ノ大則 第二章 聯邦ノ権限竝ニ各州ト相関スル法 第三編 各州ノ権限及聯邦ト相関スル法 第四編 日本國民及日本人民ノ自由権利 第五編 皇帝皇族及摂政 第一章 皇帝ノ威厳 第二章 皇帝ノ権限 第三章 皇帝及皇帝ノ継承 第四章 皇帝ノ即位 第五章 皇帝ノ婚姻 第六章 ...

  • 小説 織田 作之助

    登勢は一人娘である。弟や妹のないのが寂しく、生んで下さいとせがんでも、そのたび母の耳を赧(あか)くさせながら、何年かたち十四歳に母は五十一で思ひがけず妊(みごも)つた。母はまた赧くなり、そして女の子を生んだがその代り母はとられた。すぐ乳母(うば)を雇ひ入れたところ、折柄乳母はかぜけがあり、それがう

  • 評論・研究 色川 大吉 自由民権 請願の波

    馬上の人 河野広中(こうのひろなか)といえば、東北では板垣退助とならぶほどの評判だった。 福島県三春(みはる)の郷士(ごうし)、呉服太物(

  • 小説 新井 紀一 怒れる高村軍曹

    一 消灯喇叭(らつぱ)が鳴つて、電灯が消えて了つてからも暫くは、高村軍曹は眼先きをチラチラする新入兵たちの顔や姿に悩まされてゐた。悩まされてゐた――と云ふのは、この場合適当でないかもしれない。いざ、と云ふ時には自分の身代りにもなつて呉れる者、骨を拾つても呉れる者、その愛すべきものを自分は今、これから二ケ年と云ふもの手塩に

  • 随筆・エッセイ 新井 満 『木を植えた男』と出会って

    ある日のこと、妻が一冊の絵本を持って書斎に入ってくると、こんなことを言った。 「これ面白いわよ、お読みになったら…」 そのとき私は講演の準備をしていたので、今はそれどころじゃないんだと、断ろうとしたのだが、 「感動的なお話なのよ。もう涙なしには読めないのよ。おねがいだから、今すぐ読んでちょうだい。一生のおねがい」 妻はなおもたたみかけてくるのだ。もっとも彼女が言う「一生のおねがい」は、一週間に一度くらいのぺースで耳にするので、あまり説得力はない。しかし、文学にはうるさい方の妻をそこまで感動させた絵本とは、いったいどんな

  • 小説 新井 満 函館

    1 西暦二〇〇〇年の大晦日を、柊真一郎は写真スタジオの中ですごした。どこにも出かけなかったし、誰も訪ねてはこなかった。 写真スタジオの一角が応接コーナーになっていて、テーブルや椅子、ソファー、オーディオ・ビデオのセット、観葉植物といったものが置かれている。その日の午後、柊はソファーに座り珈琲を飲みながら一ヵ月分の新聞に眼を通し、たまっていた雑誌や郵便物の整理をした。 分厚いコンクリート壁に囲まれた写真スタジオの中は、しんと静まりかえっていてもの音ひとつしない。南洋の海底に沈んだ潜水夫みたいな気分だった。ジ

  • 評論・研究 新居 格 文藝と時代感覚

    一 「夢も現(うつつ)も、真

  • 随筆・エッセイ 新島 襄 同志社

    幕政の末路外交切迫して世運(せうん)転(うた)た危殆(きたい)に傾き、人心動乱するの時に際し、襄(じょう)(筆者自身)不肖夙(つと<r

  • 小説 新美 南吉 おぢいさんのランプ

    かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持つて出て来た。 それは珍らしい形のランプであつた。八十糎ぐらゐの太い竹の筒が台になつてゐて、その上にちよつぴり火のともる部分がくつついてゐる、そしてほやは、細いガラスの筒であつた。はじめて見るものにはランプとは思へないほどだつた。 そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがへてしまつた。 「何だア、鉄砲かア。」と鬼の宗八君はいつた。 東一君のおぢいさんも、しばらくそれが何だかわからなかつた。眼鏡越しにじつと見てゐてから、はじめてわかつたのである。 ランプであ

  • 小説 森 詠 雄鶏『オサムの朝』より

    修は背中で躍るランドセルを片手で押さえながら畔道を懸命に走った。ランドセルの中の鉛筆箱がかたこととくぐもった音をたてていた。麦の畑を過(よぎ)って走る線路に目をやった。 銀色の日射しが青々とした麦畑一面に降り注いでいた。南からの風がまだ穂のない麦の葉を揺らし、眩ゆい波紋を作って拡がっていく。 「まだ来ねえ」 修は左手の雑木林を窺った。線路はその雑木林のところで、ゆるく右にカーブしながら坂を下り、こんもりと茂った鎮守の森に消えている。機関車

  • 戯曲 森 鷗外 ゲーテ『ファウスト』より

    劇場にての前戯 座長。座附詩人。道化方。 座長 これまで度々難儀に逢つた時も、 わたくしの手助(てだすけ)になつてくれられた君方(きみがた)二人だ。 こん度の

  • 小説 森 鷗外 安井夫人

    「仲平(ちゆうへい)さんはえらくなりなさるだらう」と云ふ評判と同時に、「仲平さんは不男(ぶをとこ)だ」と云ふ蔭言(かげこと)が、淸武一郷(きよたけいちがう)に傳へられてゐる。 仲平の

  • 小説 森 鷗外 身上話

    「御勉強。」 障子の外から、小聲で云ふのである。 「誰だ。音をさせないで梯(はしご)を登つて、廊下を步いて來るなんて怪しい奴だな。」 「わたくし。」 障子が二三寸開いて、貧血な顏の切目の長い目が覗く。微笑んでゐる口の薄赤い唇の奥から、眞つ白い細く揃つた齒がかゞやく。 「なんだ。誰かと思つたら、花か。もう手紙の代筆は眞平だ。」 「あら。いくらの事だつて、毎日手紙を出しはしませんわ。」

  • 小説 森 鷗外 冬の王

    このデネマルクといふ國は實に美しい。言語には晴々しい北國の音響があつて、異様に聞える。人種も異様である。驚く程純血で、髮の毛は苧(を)のやうな色か、又は黃金色に光り、肌は雪のやうに白く、體は鞭(むち)のやうにすらりとしてゐる。それに海近く棲(す)んでゐる人種の常で、祕密らしく大きく開いた、妙に<r

  • 小説 森 志げ 死の家

    今年の梅雨は例年にまして、雨が多かつた。雨ばかりではない。風さへ加はつて、秋のあらしの様になつて、風をきらふ弓子を、厭(いや)がらせた。 久しぶりで今日は、晴々とした、好い天氣になつた。丁度日曜日である。毎朝きまつて六時になると起しに來る小間使の初が、日曜日だけは、弓子の室の雨戸さへ、起き出るまでは開けずに置くのである。 弓子は四畳半の化粧部屋へ這入つて、初の持つて來てくれる一ぱいの桶の湯と水指の水と空虚(

  • 評論・研究 森 秀樹 アポカリプス雑考

    目 次 :はじめに 1.黙示と啓示の違い――アポカリプスとは 2.訳書で検証する 3.啓示について 4.黙示と啓示は同義語か 5.黙示文学の背景 6.「黙示録」のなりたち <a href

  • 評論・研究 森 銑三 最上徳内

    一 昭和五年(1930)二月中の一夜、東京文理科大学附属図書館で『燈下雑記』と題する随筆を借りて見て、その中に最上徳内の『天然訓』と題する漢文の小著の収録せられてゐるのを知つた。それは『歴史地理』の二月号に島谷良吉氏の「最上徳内原籍地考」と題する一文が発表せられたのを読んで間のない頃だつた。『天然訓』の内容は「鮟鱇訓」「蝙蝠訓」「蜜蜂訓」「石豆訓」「漂流訓」「河豚訓」「饑饉訓」の七篇より成る。例を卑近に假りて道を説き、感想を述べて居り、教訓書といふよりも寧

  • 随筆・エッセイ 森 有正 ノートル・ダムと25年

    遥かなノートル・ダム ノートル・ダムの姿を見なくなってから、もう一カ月半経った。十何年かのパリの生活の間、この石の伽藍(がらん)は、いつも私の視界にあった。冬の霧の中に奥深く影絵のようにかすむ時、マロニエの花の香る五月、一点の雲もない朝の空から降り注ぐ太陽の光を浴びて、白銀の爈(いろり)のように輝く時、あるい

  • 俳句 森 玲子 銀座

    摘草や離ればなれに空仰ぐ 黄梅の花を漉き込む男かな 立春の頭剃り合ふ僧都かな 梅の風吸ふ心体のいとほしく 春雪を被ぎて歩む雀かな かの子忌や昨日の雪の流れゆく うつくしく身のはがれゆく蒸鰈 蜆汁海の濃青を吸ひ上ぐる 芽木渡る谷の雀は谷を出ず 薄氷を割りて面舵一杯に

  • 小説 森 鷗外 普請中

    渡邊參事官は歌舞伎座の前で電車を降りた。 雨あがりの道の、ところどころに殘つてゐる水溜まりを避けて、木挽町の河岸を、遞信省の方へ行きながら、たしか此邊の曲がり角に看板のあるのを見た筈だがと思ひながら行く。 人通りは餘り無い。役所歸りらしい洋服の男五六人のがやがや話しながら行くのに逢つた。それから半衿の掛かつた著物を著た、お茶屋の姉えさんらしいのが、何か近所へ用達しにでも出たのか、小走りに摩れ違つた。まだ幌を掛けた儘の人力車が一臺跡から駈け拔けて行つた。 果して精養軒ホテルと横に書いた、割に小さい看板が見附かつた。