検索結果 全1004作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 福田 正夫 農民の言葉 初出年: 1916年

    目次 序 Ⅰ 四十男の縊死 しちめん様のまつり 加瀬の山から 低能児 御会式のだいもく 四十男の縊死 Ⅱ 農村より 村祭の酒宴から 偉大なる農民 農村より 仮装行列 霧の朝 畦路から 姉さんの死 恐しいそして無智な女 Ⅲ 農民の言葉

  • 随筆・エッセイ 辻村 伊助 スウィス日記(抄) 初出年: 1915年

    序 忘却は人間の有する最大の幸福である。私達の目まぐるしい生活が、あらゆる感情の綯い交じったその日その日が、有りの儘に私達の在る限り、胸の中にたたまれてあるとしたら、それを負うて歩まねばならぬ人の運命はいかに悲惨なものだろうか。 雑然たる生活の断片を紙に残すのは、この意味に於て明らかに矛盾である。しかもそれを敢えてするのは私の過去に於てアルプスの雪の間に送った月日が、そのいずれの瞬間を思い出しても何の悔ゆることのない、白日に露すとも何等不安を感じない生活であったのを確かめているからである。 山に対する時私は云い知

  • 小説 森 鷗外 鼠坂 初出年: 1912年

    小日向(こびなた)から音羽(おとは)へ降(お)りる鼠坂(ねずみざか)と云(い)ふ坂

  • 小説 谷崎 潤一郎 刺青(しせい) 初出年: 1910年

    其れはまだ人々が「愚(おろか)」と云ふ貴い德を持つて居て、世の中が今のやうに激しく軋(きし)み合はない時分であつた。殿樣や若旦那の長閑(のどか)な顏が曇らぬやうに、御殿女中や華魁(おいらん)の笑ひの種が

  • 小説 高濱 虚子 風流懴法 初出年: 1907年

    横河(よかは) 今朝阪東(ばんどう)君が出立するのを送られて和尚(をしやう)サンもあまり行(い)けぬ口に一杯過ごされた。阪東君が出立したあとで和尚サンは

  • 小説 泉 鏡花 凱旋祭 初出年: 1897年

    一 紫紅(くれなゐ)の旗、空の色の靑く晴れたる、草木の色の緑なる、唯うつくしきものの彌(いや)が上に重なり合ひ、打混(うちこん)じて、譬へば大幻燈(うつしゑ)花

  • 評論・研究 あきとし じゅん 高橋和巳における狼疾

    1 かなり以前から高橋和巳の文学の特質において、心のなかに蟠(わだかま)っていることがある。いったいかれは、だれの影響をもっとも受けていたのであろうか。いうまでもなく、これまでの高橋和巳論は、その多くが性急に埴谷雄高を結論的に導きだしているが、かれの憂鬱なる作品を前にしたとき、はたしてそう結論づけていいものかどうか、はなはだ疑問である。 高橋和巳自身、比較的早く「近代文学」の読者として、第一次戦後派作家に親近感を覚えたといっているこ

  • あきとし じゅん 断章

    淡紫色の同情を 芝居気よく紙背 に書き記し繰戸 を抜け廃品を回 収した情夫の色 めき尊属殺人は 死刑または無期 懲役という怯懦 の葉ふたつ母の 日に薬籠さげて 挽歌流れる色擂 りの盆供養に煙 管を硯池に敲き 落し墨はねて人 質となった疫神 をせせ笑い聖母 の散歩はたちま ち般若吸血

  • 小説 つかだ みちこ 休暇に

    夕方、いつものように、僕の所に、学校の友人がやって来た。僕たち二人は、数ベルスタ(ロシアの里程。1ベルスタは約1067メートル)離れた同じ村に住んでいて、ほとんど毎日のように顔を合わせていた。ブロンドの好男子で、その優しいまなざしで、娘っ子たちを少なからず、うっとりと夢心地に誘うことだってできた。僕はといえば、彼の落ち着いた態度とか、その冷静な判断といったものにひきつけられていた。 その日、友人は何か心にかかることがある、というように見受けられた。地面をじっと見つめたまま、興奮した面持ちで、自分の足を鞭(むち</

  • 小説 つかだ みちこ 濃霧のカチン

    夜の六時からのコンサートまで少し時間があるので、すぐそこの市庁舎前の広場まで出てみよう。あそこには本屋もあるし、アプテカで薬を買うことだってできるだろう。それには先ず換金をしておかなくてはならない。ワルシャワ空港で換えた二万円はポズナニまでのタクシー代で吹っ飛んでしまった。それでも白タク運転手の要求していた六百ズオテイに百ズオテイ足りなかった。空港での換金は率が悪いということを知らなかった。栞は外出の準備を始めた。日本を発つ前に引いてしまった風邪がまだ喉のあたりにしつっこく居座っている。その違和感が気持ちを重苦しくさせていた。もしこの部屋にバスがついていて、昨夜温まって寝ればそれで治っ

  • 小説 つつみ 眞乃 うしろ髪ざくりと剪りて

    死死は土へ溶けゆくいのち冴返る 立春の大地は風を声と聴き 白蝶の舞ひの終りは白の舞ひ 春浅し通りすがりの写真館 白椿己が白さに怯えをり 黄水仙きりと高めの女帯 西鶴の胸算用や亀の鳴く 風見鶏逆さに春を廻しをり それなりの色を重ねて山笑ふ 井戸車落つる音絶つ実朝忌 </

  • 俳句 つつみ 眞乃 水の私語

    眠れねば青ついばみて蕗の薹 蕗の薹淡き予感と扉(と)を開く おぼつかな蝶の生誕目守りぬ 息かけて鏡の春と擦れ違ふ 如月や芯から荒らぐ息のなか 女芯いま春の怒濤へ声洩らす はかなさをそつと小袋二月尽 野焼きの尾ちぎれて恋の炎を拾ふ

  • 小説 ととり 礼治 夢、はじけても

    一 明治九年七月三十日、早朝――。 連日の猛暑の中を、早めに朝食をすませた人々が、小さな袋を片手に、近くの小学校をめざして、ぞくぞくと集まりはじめている。 やがて、浜松県内の各寺で一斉に鐘がつかれ、その荘厳な音色が、あたりに響き渡った。 それが、合図だった。 集合していた人々は、門をくぐり、さらに校舎の前に列を作りはじめた。 そして、先頭の者は教室に足を踏み入れると、部屋の中央に置かれた大きな箱に近

  • 小説 マオ アキラ ムシの方舟

    目次ムシの方舟つばさモクジシュワッチマセ!チョッキンチョッキン森の町 <

  • 評論・研究 むの たけじ 雪と足と(抄)

    死と生について 奥羽線横手駅から下りの方向へ走る鉄路は短い鉄橋をこえてほどなく、次の後三年(ごさんねん)駅からさらに飯詰(いいずめ)駅へ全く一直線にのびていく。明治三十八年この鉄道が敷かれたとき、この飯詰駅の両側にある二つの町(一つは私の生まれた仙北郡六郷町)が路線の引っぱり合いをしてけりがつかず、当時の逓信

  • 評論・研究 リーダム=アッカーマン,ジョアン The Role of P.E.N. in the Contemporary World

    It is an honor to be invited to address theJapan P.E.N. Club Founded in1935 on the eve of a tumultuous period in world affairs, Japan P.E.N.'s memberscommitted to the P.E.N. ...

  • ル・グウィン,アーシュラ・K American Wars

    Like the topaz in the toad's head the comfort in the terrible histories was up front, easy to find: Once upon a time in a kingdom far away. Even to ...

  • 小説 阿川 弘之 年年歳歳

    一 一ゆれすると復員列車はゆつくり動き始めた。ベルも汽笛も鳴らなかつた。日は暮れかけ、こまかい雨がガラスの窓を雫になつてつたつてゐる。微光の中に荷物と一緒に折り重なつて乗つてゐる人々の脂じみた顔が見える。車内灯はついてゐない。道雄の周りは皆、上海から一緒に帰つて来た海軍の者ばかりである。「ハシレ」「イソゲ」と急(せ)かれて、雨と汗とでべとべとになり乍(なが)</r

  • 小説 阿刀田 高 靴の行方

    新幹線の車窓から見る桜はもう花の季節を終え、新芽が枝に群がっている。十日ほどのあいだに春は確実に深まっていた。 小田原を過ぎると海が見えた。 海は夕べの色を映して灰色に波打ち、沖のほうから霞みながら暮れ始めていた。京都に着く頃には町は夜に包まれているだろう。 今日の列車は人数も少なく、隣のシートは空席のままになっている。 亜矢子はスイと脚を伸ばし、足先をぶらぶらと揺らした。紺のスエードのハイヒール。つい先日の旅もこの靴だった。短い期間に二度も新幹線に乗るのはめずらしい。 「いい靴ですね」

  • 小説 阿刀田 高 白い蟹

    晩秋──。 ロシアの夕暮れはうら悲しい。街中はまだしも、ひとたび郊外へ出ると深い暗愁が立ち籠(こ)めている。空は鉛色に染まり、薄暗くはなるがいっこうに夜がやって来ない。怪しい気配があちこちに漂っている。文字通りの逢魔(おうま)がとき……。落葉樹は枝をあらわにし、葉を持つ木々も冬枯れの気配を帯び始める。森は疎(まば</rt