検索結果 全1058作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 三田 洋 回漕船ほか

    回漕船 海に船をうかべてはこぶ 柩をまんなかにして 父とわたしはすわりこむ 海はすこしあれて ときどきしぶきがかかる こんなとき むこうからやってくる船もある しぶきは素足にもかかる せなかにもかかる しぶきは柩にもかかる すると おおさむい

  • 三島 佑一 地球タイタニック

    目 次 1 地球タイタニック浸水 二○○○年 負けてよろしましたなあ 毎月二のつく日は ネクタイしめた駄々っ子 目には目を 2 地球タイタニック傾斜 二○二○年 Xデー 人間アホかカシコか除夜の鐘 3 地球タイタニック沈没 二○X○年 </

  • 小説 三島 由紀夫 女方

    一 増山は佐野川万菊の藝に傾倒してゐる。國文科の學生が作者部屋の人になつたのも、元はといへば万菊の舞臺に魅せられたからである。 高等學校の時分から増山は歌舞伎の虜(とりこ)になつた。當時佐野川屋は若女方で、「鏡獅子」の胡蝶の精や、せいぜい「源太勘當」の腰元千鳥のやうな役で出てゐた。そのころはひたすら大人しい、端正な藝であつて、誰も今日の大をなすとは思つてゐなかつた。 しかし當時から、増山はこの冷艶な人が、舞臺

  • 評論・研究 三木 清 哲学ノート(抄)

    序 これは一冊の選集である。即ち「危機意識の哲学的解明」という最も古いものから、「指導者論」という極めて最近のものに至るまで、私の年来発表した哲学的短論文の中から一定の聯関において選ばれたものであって、その期間は『歴史哲学』以後『構想力の論理』第一を経て今日に及んでいるが、必ずしも発表の順序に従ってはいない。程なく『構想力の論理』第二を世に送ろうとするに先立って、私は書肆の求めによってこの一冊の選集を作ることにした。ここに収められた諸論文は如何にして、また何故に、私が構想力の論理というものに考え至らねばならなかったかの経路を直接或いは間接に示し

  • 小説 三遊亭 圓朝 牡丹燈籠

    怪談牡丹燈籠第壱編 三遊亭圓朝演述 若林カン藏筆記 第壱回 兇漢泥酔挑争闘 けうかんでいすゐしてそうたうをいどむ 壮士憤怒醸禍本 そうしふんどしてくわほんをかもす 寛保(くわんぽう)三年の四月十一日、まだ東京(と

  • 山岸 哲夫 二都物語

    BARAN テヘランの街は砂漠の中にあった 雨は神様が仕掛けた如雨露みたいにレンガの家を疎らな樹木を 人のこころにもシャワーをかけて去った細くありがたく乾いた街角まちかどを 改装ビルの工事現場で伯父さんの手伝いをしつつ青年は秘かに 賃金を空き缶に貯めていた 薬師丸ひろ子にあい似たし少女が男の子に変装しておじいさんと仕事にありついてきた セメント作りの作業は力仕事であった ある日それとな

  • 山岸 哲夫 一丁目あたり

    目 次 一丁目あたり王宮参る炎帝鐘路三街白金のcampus馬喰帰郷 <p

  • 随筆・エッセイ 山口 瞳 卑怯者の弁

    一 「国家には色々な側面があり、従って、色々な解釈が可能である。しかし、国家というものをギリギリの本質まで煮つめれば、どうしても軍事力ということになる。ところが、その軍事力の保持が、日本の徹底的弱体化を目指して、アメリカが日本に課した『日本国憲法』第九条によって禁じられて来たのである。日本は『国家』であってはならなかった」 と、清水幾太郎先生は「節操と無節操」という論文(『諸君』昭和五十五年十月号)のなかで書いておられる。これ

  • 小説 山村 正夫 断頭台

    1 熊倉左京太(くまくらさきょうた)は、劇団仮面座の若手俳優である。一風変わった古めかしい名前なので、いかにも名優のように聞えるが、その実まったく無名の三文役者にすぎなかった。劇団内でもこのうえもなく冷遇(れいぐう)されていて、いままで本公演、試演会を通じて通行人以上の役らしい役のついたことはなかった。 『仮面座』は数多い新劇団のなか

  • 山中 以都子 訣れまで

    朝 地下のコバルト照射室まで歩いて通えたのは 一月前ま でであった。 十日前までは 車椅子をわたしが押した。 いま 父は ベッドから起きあがることができなかった。 風の舌が湿っぽい朝まだき 洗面所で口をすすいでいる と 隣にやってきた少女が いきなり抱えていた花瓶の 花をぐいと一掴みに投げすてた。 百合 菖蒲 牡丹 竜胆 一瞬宙に舞ったとりどりの鮮やかさが 冷たくわたしの 眼に

  • シナリオ 山中 貞雄 風流活人剣

    凡例 トーク 活弁の科白 F・I フェイドイン。だんだん明るくなって場面が転換する。 F・O フェイドアウト。だんだん暗くなって場面が転換する。 O・L オーバーラップ。映像が二重写しになって場面が転換する。 1=(F・I)寄席内部 場末の寄席の情景。 高座で講釈師が車輪に張り扇を叩いて居る。 客筋は余りいい方でない。 浪人

  • 山田 岳 エピタフ(墓碑銘)

    第1部 エピタフ 町家のなかの迷路 白い街灯の明かりが 点々とどこまでも続いている 京都の夜の闇は深くて 街灯の光さえものみこんでしまう 僕は自転車をこぐ 街灯の光にうかぶ、べんがら格子の家は 道路のうえに深い歴史の影をおとす 自転車のライトさえも この闇

  • 評論・研究 山田 健太 グーグル新サービスの衝撃

    インターネット上の検察サイトとして有名なグーグル(Google)が、八月五日から新しいサービス「ストリートビュー」(GSV)を開始した。従来から「グーグルマップ」として地図情報を無料提供しているが、それにプラスして全国十二地域の風景を居ながらにしてみることができるようになった。沖縄県内でのサービスはないが、まさに車で運転しているかのように、道の両側の景色を表札が読めるぐらいまで詳細に確認できるサービスは圧巻である。

  • 随筆・エッセイ 山田 忍 宝物をくれた人たち(抄)

    目 次 脳神経外科医 ジェラール・ギュイオー大屋政子バレエ研究所理事長 大屋政子作曲家ジャック・イベール夫人 ロゼット・イベールアルフレッド・コルトー声楽家 平井三紗子ピアニスト 原 智恵子 <p

  • 小説 山田 美妙 蝴蝶

    國民の友の附録にするとて御望みが有つたため歴史的小説のみじかい物を書きました。が、実の処これこそ主人が精一杯に作つた作で決していつもの甘酒では有りません。匆忙の中の作だの何だのと遁辞をば言ひません、只是が今の主人の実の腕で、善悪に関せず世間の批許をば十分に頂戴します。猶この後には春のや、思軒の兩「しんうち」が扣(ひか)へて居ります。それ「比較は物の価格を定める」。大牢の前の食散らしは或は舌鼓の養生にも為りましやうか。一座早く出た無礼の寓意(も凄まじ

  • 山田 隆昭 うしろめた屋

    路 地 屋台の椅子は低いほうがよい 地べたに這いつくばうようにして コップ酒を呑んでいると 植え込みから幽かに虫の音がきこえてくる 白粉花の葉裏の息づかいがみえてくる もっと低く もっと低く 屋台の客はみな 斜め前方に傾いて酒を呑んでいる ネクタイが大きくゆるみ 背広が半分脱げかか

  • 小説 山内 謙吾 三つの棺

    一 「どうか大した怪我でなければいい。」 お島は心に念じながら、じめじめした溝板を踏みならして路次から通りへ出た。妙に胸の鼓動が高鳴つて、汗ばんだ頬を撫でる四月の微風が、厭(いと)わしく、一層彼女の心を動揺させた。街にはいつもの通り自動車が走り、長蛇の高架電車が音もなく停車場のホームへ吸い込まれて行つた。道で戯れている子供達も老人も、大股に往來(ゆきき)</r

  • 短歌 山本 司 時代の風

    蕗の薹芽生ゆる黄の小さくも地に背きつつふくらむ型に 『抗争の序曲』 化学天秤左右に揺れてとどまらずしきりに夕べ松落葉する 目的にあらねど遂に争いぬ若き警官野獣のごとし 敗北に帰すと知りつつデモに行く我もイワンの馬鹿の一人 アセチレンの匂い鋭く乾く夏かぎ十字はいま何処に刻まれん </

  • 評論・研究 山本 澄子 ユージン・オニールの世界

    目 次 E・オニールと『ああ荒野!』E・オニールの『夜への長い旅路』 ―その悲劇性について―E・オニールの『氷人来る』 ―夢と死について― 1 E・オニールと『ああ荒野!』 I E・オニールの

  • 評論・研究 山本 壽夫 吉田初三郎の空間   絵になるまちづくりへ -間の手法-

    目 次 日本文化の型江戸風景画の成立と完成江戸風景画の間(ま)吉田初三郎の空間絵になるまちづくりへ <