検索結果 全1000作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • コラム 眞有 澄香 「文学」の力 ~「生(バース)」が「人生(ライフ)」になるとき~

    高等学校教諭の職を辞し、本格的な文学研究を志して大学院に入学した時、私は研究対象として泉鏡花を選んだ。なぜなら、泉鏡花は「天才」「日本語の魔術師」と称される偉大な作家だから、という至極単純な理由による。それから私は、当時、明治文学研究の第一人者と目されていた故岡保生先生に師事し、仲間たちと共に鏡花文学に親しみ、自分なりに考えたり、調べたりする、充実した日々を過ごした。それだけではない。泉鏡花と出会ったことで、私は「私」にも出会うことができたのである。いま、あらためて、そのことを振り返ってみたい。 泉鏡花を賞賛した作家を挙げれば、枚挙にいとまがない。夏目漱石、谷崎潤一郎

  • 評論・研究 萬田 務 無言の告発 ―芥川龍之介「地獄変」一面―

    一 はじめに 「地獄変」は、大正七年五月一日から同月二十二日まで(五日と十六日は休載)「大阪毎日新聞」夕刊に、一日遅れて五月二日から二十二日まで(十八日は休載)「東京日日新聞」夕刊に、それぞれ二十回にわたって連載された短篇である。四百字詰原稿用紙にして七十枚程度のものであるが、芥川の作品のなかでは比較的長い部類に属するといえるかも知れない。 芥川は当初、〈地獄変はボムバスティックなので書いてゐても気がさして仕方ありません本来もう少し気の利いたものになる筈だつた〉<span c

  • 釋 迢空 古代感愛集(抄)

    目次 追悲荒年歌幼き春白夏日感傷 四章やまと戀ゆき葎 追悲荒年

  • お知らせ 電子文藝館事務局 電子文藝館とは

    日本ペンクラブは、2010年11月26日(「ペンの日」)で、創立75周年を迎えます。 1935年、島崎藤村を初代会長に据えて、創立されました。 インターネット時代の文学状況の変化を見通し、日本ペンクラブは、電子文藝館を2001年11月26日の「ペンの日」に開設しました。 電子文藝館の掲載作品は、会員・物故会員のほかに、幕末・明治維新から、現在までの日本近代文学の軌跡を鳥瞰できるように、1935年の日本ペンクラブ創立以前の先人たちの優れた作品も、あわせて、積極的に掲載しています。できるだけ、代表作というよりも、秀作、

  • お知らせ 電子文藝館事務局 国際版への誘い

    ようこそ、デジタルライブラリー・インターナショナルエディションへ! 日本ペンクラブ電子文藝館が、リニューアルされました。 さらに、第76回の国際ペン東京大会開催記念コーナーとして、期間限定で、「国際版電子文藝館(デジタルライブラリー・インターナショナルエディション)」が、開設されました。英語に翻訳された日本文学の、いくつかの作品が、ここだけで、独自に公開されています。 トップページ、右上の「インターナショナルエディション」をクリックすると、読むことが出

  • お知らせ 電子文藝館事務局 被災地見舞い

    日本ペンクラブ電子文藝館は、今回の東日本大地震(東北関東大震災)で犠牲になられたすべての方に対して心から哀悼の意を表します。行方不明の方には、一人でも多くの生命が救済されるよう切実に願っております。また、全ての被害者の方に、改めて、お見舞いを申し上げます。 いま、私たちは、大地震と大津波に見舞われた被災地への救助もままならず、もどかしい思いにかられています。とりわけ、惨事を重篤にするとともに拡大した原子力発電事故と事故に伴う放射能汚染については、自然災害に端を発したとはいえ、人災の要素が濃くなっているなかで、国民的な危機感を共有し、真実を世論に訴えて

  • お知らせ 電子文藝館事務局 電子文藝館は、2016年11月に開設15周年を迎えました。

    デジタル時代を迎え、文字でものを書くという表現行為をする私たちにとって、デジタル環境の進化に遅れずに同伴することは必須の行動です。15年前、私たち日本ペンクラブの有志が集い、機関決定を経て、2001年11月26日の「ペンの日」(日本ペンクラブの創設記念日)に、日本ペンクラブの中に電子文藝館委員会が創設され、その活動の場としてデジタルライブラリー機能を持つ「電子文藝館(デジタル・ライブラリー)」を開設しました。 「電子文藝館」に掲載されている作品は、作品掲載に当って、以下のような3つの大きな源泉をもっています。 1)ひとつは日本ペンクラブの会員(先達の

  • お知らせ 電子文藝館事務局 文学館・記念館等リンク

    芦屋市谷崎潤一郎記念館虚子記念文学館新宿区立漱石山房記念館伊東市立木下杢太郎記念館<a hr

  • 随筆・エッセイ 畠山 重篤 森は海の恋人(山に翻った大漁旗)

    牡蠣の森を慕う会 彼は牡蠣士だもんな・・・・・・と養殖業仲間の会話で、自他共に認める牡蠣づくりの名人を牡蠣士と呼ぶ。 その人の所有している漁場の良し悪しもあるが、牡蠣養殖の上手下手は、多分に性格的なものがある。振り返ってよく考えてみると、牡蠣と性格が似ている人が、牡蠣士の称号を得ているような気がしてならない。 条件の第一は、性格がゆったりしていることである。神経質で、こせこせした短気な性格は、牡蠣づくりには向いていない。牡蠣はもともと、潮間帯の生き物であるから、毎日、干潮になると夏は陽

  • 小説 嶋川 弘 牧場(まきば)の外へ

    「訴えてやる!」 田村は生ぬるいビールを飲み干した。会社を辞めてまだ一週間。公園に外灯がついた。 勤めて一年も経っていない会社からクビを宣告されたばかりだ。経営が悪化したことに伴うリストラ。四十八歳の働きざかり。 二十年以上も勤めていた会社で次長までなった頃、自分の先が見えたと思っていた。 年収は六百万位で良い方ではないが、中小企業としては仕方ないだろう。妻と子供三人の五人家族。生活は楽ではないので妻は近所の部品組立工場でパートとして働いている。 田村は二十年間健康食品の販売会社でそれなりの営業実績

  • 随筆・エッセイ 鈴木 光子 『いとしのエラ  エラ・マイヤールに捧げる挽歌』

    はじめに プロローグ 声の日々 源(はじまり)の日々 至(きわみ)の 時 <a href="#P06"

  • 小説 木下 正実 アセボ峠

    《目次》 1 2 3 4 5 1 さく、さくと、歩くたび霜柱が、稲を刈

  • 沢 聖子 「三角橋」より

    《目次》 三角橋 対 瓜 男 呼ぶ声 三角橋 踏ん張って ペダルを漕ぐ 傾斜四〇度ほどの 三角橋を 渡りきれば 母に奇跡が起きると願かけて

  • 随筆・エッセイ 藤内 鶴了 My Travel Sketch of the Western Part of China

    Contents Introduction 1. Various Opinions about the Introduction of the Five-string Biwa 2. Sculptures on the Stone Fence in Amravati 3. Carbon-14 Dating Used in the Kizil Caves 4. Wall ...

  • 随筆・エッセイ 中西 秀彦 我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す(抄)

    電子書籍への抵抗勢力たらん 風雲急を告げるとはこのことだ。電子書籍である。アマゾンキンドルの成功は、長く商品としては成功しないと言われてきた携帯読書端末を一気に次世代デジタル製品の主役に立たせた。一つ成功するとわかればあらゆる会社から似たようなものが発売されるのは世の常。アメリカのコンシューマーズエレクトロニクスショーでは携帯読書端末の新製品が大量に発表されたという。そしてアップルからは満を持しiPadの発売である。もうこの流れは押しとどめようもない。これに対応するように、出版界の動きも急である。アマゾンは9.99ドルという低価格でコンテンツを売り

  • ノンフィクション 六草 いちか シノーポリ「オケピに死す」全真相

    「そのとき炎の音楽家は私の上に崩れ落ちてきた」 指揮台で本番中に逝った指揮者は3人いる。 1911年、フェーリクス・モットル、 1968年、ヨーゼフ・カイルベルト、 そして、ジュゼッペ・シノーポリ。 2001年4月20日、ベルリン・ドイツ・オペラ(DOB)座にて『アイーダ』演奏中の出来事だった。彼の死を目の当たりにしたヴァイオリン奏者、イリス・メンツェル氏が、あの日を初めて振り返る―― 譜面に記された小さな十字架。 </p

  • 小説 久米 正雄 受驗生の手記

    一 汽笛ががらんとした構內に響き渡つた。私を乘せた列車は、まだ暗に包まれてゐる、午前三時の若松停車場を離れた。 「ぢや左様なら。おまへも今年卒業なんだから、しつかり勉强しろよ。俺も今年こそはしつかりやるから。」 私は見送りに來てゐた窓外の弟に、感動に滿ちて云つた。襟に五年の記號のついた、中學の制服を着けて、この頃めつきり大人びた弟は、壓搾した元氣を底に湛へたやうな顏付で、むつつり默つて頭を下げた。恐らくは、弟も、この腑甲斐のない兄の再度の首途(かどで</rt

  • 小説 大木 潤子 鳩子ひとりがたり(抄)

    目次ハトちゃんの死ハトちゃんについてハトちゃんが語ったことA大学B学部C学科D文学専攻第四学年鳩山鳩子二十一歳鳩子さんのハンカチ 「ハトちゃんの死」 わたしには「

  • 藤森 里美 哀しみ

    ―花盛り ― &nbsp; 誰が見ても 見なくても 崖淵であろうが 唐松林であろうが 気にすることなく 薄ら寂しい風に 思いっきり咲き乱れた &nbsp; 色とりどりの花が 軽くゆれながら 天の微笑みを 身にまとう &nbsp; あゝ

  • 平原 比呂子 初夏

    初 夏 田圃の早苗が葉先を天に向けている 夕陽が空のキャンバスを彩り抽象画を描く 絵は日没と共に消え蛙が啼き出す 「こうもりさ~ん おいで~」 「こうもりさ~ん こっちだよ~」 毎年 初夏になると ふたりの孫が ビルの四階から蝙蝠を呼ぶ 昼間 どこに潜んでいるのか 黒マントをヒラヒラさせて 三十頭ほどが群れになってやって来る 孫はベランダから手を伸ばす 蝙蝠の鋭敏なレーダーは