検索結果 全1058作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 随筆・エッセイ 松 たか子 松のひとりごと

    目次鏡越しの顔勝利の人街と人と劇場マスクの心心のやりとり苦行と歓び『嵐が丘』の幕開け写ったものに映るもの</l

  • 評論・研究 松浦 喜一 日本国憲法を護る ――生き残った特攻隊員、八十一歳の遺書

    主権在民の平和憲法 今や戦後六十年、日本は戦前とは全く違った姿になってしまい、戦前のことを想像できない人が多くなりました。戦争前から生き、戦争を体験した者にとっては、戦争は遥か六十年前の歴史の一コマとも思えるし、身近な昨日の出来事とも思えるのです。 飛行服姿の私は飛行場の愛機の側で、これから搭乗する映画の一コマが眼に映るような気がいたします。共に話をしていた友はいない。これが現実の私なのです。 <

  • 小説 松永 延造 ラ氏の笛

    一 横浜外人居留地の近くに生れ、又、其処で成育した事が何よりの理由となつて、私は支那人、印度人、時には埃及(エジプト)人などとさヘ、深い友誼を取り交した経験を持つてゐる。そして彼れ等の一人一人が私に示した幾つかの逸事は、何れも温い記憶となつて、今尚ほ私の胸底に生き残り、為す事もない病臥の身(それが現在に於ける私の運命)ヘ向つて、限りない慰めの源を提供するのである。 時は大正×年、秋の初め、場所はB全科病

  • 松岡 荒村 三つの声

    一 虚栄の声 飲めや友歌へ手嫋(たおやめ) 歓楽の数をつくして 山海の珍味を尽さん 夜も昼もわれら飽くまで 善も来よ悪も群れ 浮世をば只我まゝに 我まゝに大手ふりつゝ 渡りゆく身こそ大(えら<rp

  • 短歌 松坂 弘 言葉の自画像

    暗澹と菜の花の黄に降りそそぎ音なき昼の時はすぎゆく 『輝く時は』 干網は白く芝生にうたれつつ輝く時のいまは過ぎゆく 心いまとがり秋陽のひびわれの草薙ぐ風に刀(たち)となりゆく 手を下げている明るさのひろびろとがんじがらめの白鳥の羽 青春はなおそれぞれに痛ましくいま抱きおこす一束の薔薇 暖かく日は照りながらかたわら

  • 評論・研究 松村 辨治郎 国会開設の儀

    布衣(ふい)(官位のない私民)松村辨治郎、謹(つつしみ)テ大日本帝国廟堂(べうだう)ノ有司諸彦閣下(いうし・しよげん・かつか)ニ白(まう</rt

  • 小説 松代 達生 五月の朝

    清(きよ)はこの二、三日、軽い腹痛を訴えていた。深夜うなされたように、痛い痛い、と声を出し、一郎は起きて背中をさすってやった。風が窓を叩く音や、国道を通り過ぎる長距離トラックの音までが、一郎には清の声に聞え、夜中に蒲団を蹴って跳び起きたりした。 その朝も、自分の名前を呼ばれたような気がして目を覚ますと、隣に寝ているはずの清の姿が無かった。枕許の時計を瞥(み)ると六時半だった。

  • 小説 松代 達生 子殺し

    1 アキラ、お父さんはとうとうお前を殺してしまった。 繭の糸のような春の雨が降りてくる。音も無く夜の高みから、光る雨たちが降りてくる。雨は地面に達する前に輝きを失い、土気色になり、大地と同化して死んでゆく。漆黒の闇の中へ、吹き飛ばされるように姿を消すのもある。お父さんの網膜に映る雨は、音も色も形も無い滅びの化身だ。窓を開けると、吹きつのる夜風の中で、光る雨たちが発する啜り泣きの声が聞える。老婆が欠けた歯の間から洩らす呻き声そのままに、風は苦痛の音立てて、隙間から部屋の中へ忍び込もうとする。 お前

  • 戯曲 松田 章一 花石榴

    《登場人物》 桜井金蔵 六十歳ぐらい 山田豊子 五十七歳ぐらい 女事務員 (声だけ) ある小さな土建会社の応接室。使い古された応接セットが中央にある。壁面には、下手な政治家の書の横額があったり、複製の風景画、小判を飾った祝儀ものの額が雑然と掛けてある。 スチールの棚などがあり、ガラ

  • 評論・研究 松田 存 能の笛方鹿島清兵衛をめぐる人々―名妓ぽん太と近代文学者の接点―名

    はじめに 先年、日本医大図書館に勤務する細井昌文氏から能楽の笛方鹿島清兵衛について調べてみてはという手紙をいただいた。医療文献とりわけX線に関する記事にしばしば出てくるというのだ。同氏は図書館勤務の傍ら、下掛宝生流(ヮキ方)のいわば玄人でもあるわけだが、もちろん筆者とて鹿島清兵衛なる笛方の多くを知らない。いらい鹿島清兵衛について調べて行くうち、究極は、わが師飯塚友一郎博士にまで辿りつき、遠くなり行く明治の文学者をはじめ、そのモデルとなった人々の生きざまを追ったのが本稿である。

  • ノンフィクション 松田 東 海洋少年団の秘宝

    (一) 珍しく空襲警報が鳴らない夕方、庭先の小さな池の周囲に、行儀よく植えられた菖蒲の花が咲き、戦時中とは思えぬ静けさだ。 昭和二十年の六月、正義は、十二歳の夏休みを迎えようとしていた。小学校最後の一ヶ月に亘る休みをどう過すか、頭の中はあれこれと思いをめぐらす楽しさで一杯である。 父親は火薬工場に通う会社員、母親は市役所の職員、そして祖父母が半農半漁という家に育っている。正義はなんの不自由もなく、自由闊達な少年だ。そんな正義の不満といえば、人が恨むサラリーマン家庭である事だ。 正義

  • 俳句 松本 たかし 能役者

    秋扇や生れながらに能役者 踊見る踊疲れを憩ひつつ 夜学児の暗き項(うなじ)のくぼみかな 時雨傘開きたしかめ貸しにけり 忽然(こつねん)と凧が下りきし軒の空 十棹とはあらぬ渡しや水の秋 <p

  • 随筆・エッセイ 松本 幸四郎 役者幸四郎の俳遊俳談

    目次歌舞伎役者と俳句初めての句Haikuhas everything「アマデウス」のこと玉堂先生と祖父修善寺新井旅館のこと虚子先生のこと</a

  • 俳句 松本 幸四郎 句集「仙翁花」(抄)

    花舞台 平成二十年十月 東大寺千年の佛千回の花役者打ちあげて笑顔のならぶ初芝居花冷のもの憂き流れ吉野川ぼうたんの風にほひけりをぎの髪早春にハムレット舞ひ語りけり朱夏の陽にまどろむでゐる役者かな<p class="haiku

  • 随筆・エッセイ 松本 昌次 戦後文学と編集者(抄)

    目次花田清輝平野 謙武田泰淳竹内 好富士正晴丸岡秀子井上光晴渡辺 清 <a na

  • 小説 松本 侑子 花の寝床

    少年を抱きながら薄目をあけて灰色の海を見ていた。薄曇りの夕暮れで、凪(な)いでいた。 古いテトラポッドが無造作に積まれた護岸にふちどられて、海は、鈍い色に光り、たふたふと揺れている。もったりと重く上下する海面は、岸の手前でふいに力を増してせりあがり、白い波頭がちらちらとはじけ、やがてテトラポッドの隙間(すきま)に溶けるように消えていく。 殺風景な海岸にたつ宿

  • 評論・研究 松本 侑子 赤毛のアンに隠されたシェイクスピア

    * 題辞 王たちの大理石の墓も、金に輝く記念碑も この力ある詩より長くは生き残らない シェイクスピア、ソネット五十五 * まえがき 『赤毛のアン』の迷宮へ 初めて原書で『赤毛のアン』を読んだとき、なんだか不思議な文章がしばしば出てくることに気づいた。いかにも昔風の言葉

  • ノンフィクション 上村 信太郎 ギアナ高地の秘峰ロライマ探険記

    序 南米大陸の北東部、アマゾン河以北に拡がるギアナ高地の奥は「地球最後の秘境」とも言われているように、スペース・シャトルが宇宙を駆け巡る今日でもなお、文明の光が届かない隔絶された僻地である。 このギアナ高地の奥深く、赤道からわずか五度北に位置しブラジル、ガイアナ、ベネズエラ三国がまじわるところに、インディオが「悪魔の山」と畏れる伝説の山ロライマ(二八一〇メートル)が聳えている。この山は、すでに一世紀も前に英国隊によって初登頂され、その後、コナン・ドイルがロライマをモデルにした小説『失われた世界』を書いたことは知られていても、深いジャングルの中に

  • 俳句 上村 占魚 みそさざい

    とろとろと火を吐きにけり蛇の舌 ◇句集『鮎』より 人の顔見つつたべゐる夜食かな 潮満ちてくれば鳴きけり川千鳥 老鴬や先なる舟は瀬にかかる 球磨川下り 友死すと掲示してあり休暇明 一茶忌や我も母なく育ちたる </

  • 小説 上田 周二 深夜のビルディング

    ぼくは推理小説の翻訳の下請けなどで暮らしているいささか風変わりな中年男である。ぼくの昼間の時間は、殆んど翻訳の仕事でつぶされる。ぼくはTOKYOという大都会の裏町に、亡くなった両親から引継いだ古びた一軒の家を持ち、昼間はそのなかに閉じこもって翻訳の仕事を続ける。ぼくは世間の人たちから変わり者と言われても仕方がないと思う。なにせ、もう鬢に白いものが混じる年齢だというのに妻を娶らず奇妙な暮らしをしているのだから。つまり、昼間は蟄居していて、辺りが暗くなると、夜行性の動物のように外を出歩くのだ。なぜ昼ではなくて夜出歩くのだろうか。人にそう問われたとしても、ぼくはその訳は言うまい。訳を言ったと