コラム
活動を通しての出逢いと気付き
2019/03/09
講談師・神田松鯉先生にご紹介いただき、ペンクラブに入会。そしてAmazonで電子書籍を出版していたことで、入会とほぼ同時に電子文藝館委員会にも入らせていただきました。群馬でイラストレーターをしておりますが、突然自分に寄せてきた文学の大波にめちゃくちゃ戸惑いました。電子文藝館委員に承認された会議後、帰りの高崎線の中で、「地方の広告畑にいる自分が ...
瞳 湖
2019/01/12
東海道新幹線を米原から北陸本線に乗り換え、しばらく行くと、左側に小さな湖が見えてくる。余呉湖である。水上勉は小説「湖の琴」を、ここから書きはじめている。――余呉の湖は滋賀県伊香郡余呉村にある。琵琶湖の北端にそびえる賤ヶ岳を越えて ...
英国議会見学記
2018/11/03
BBCなどを視聴していると、Brexitを半年後に控えたメイ首相が、イギリス議会で演説をしている映像が放映されている。何となくロンドン滞在中に見学したキャメロン首相時代の議院のことを思いだしたりする。
二〇一五年二月十三日(金)、日本の国会を見学したこともない私が、休会中の英国議会を見学することになった。九十分のガイド・ツアーである ...
不滅のサム・シェパード
2018/09/11
天国に転居なさってから一年以上たちますが、お元気でお過ごしでしょうか? 先日、映画 『ディフェンスレス/密会』 でサム・シェパード様の生前のお姿を拝見しました。懐かしさを抑えきれず、日本から突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください ...
私の好きな忠臣蔵
2018/07/10
三百何年前の今日は赤穂浪士が本所吉良邸に討ち入った日です。 毎年、十二月十四日になると、TVのニュースなどで上記の決まり文句が流れるが、正確には少し違う。江戸時代は陰暦なので、太陽暦とは日にちがずれている。元禄十五年はおおむね西暦一七〇二年と重なるが、陰暦十二月十四日は一七〇三年の一月末。 それはともかく ...
新着作品
- 随筆・エッセイ 八十里越を行く 2020/12/03
- 随筆・エッセイ あのときの蒼い空――それぞれの戦争(抄) 2020/09/08
- 随筆・エッセイ 『風俗という病い』(抄) 2019/12/13
- 評論・研究 『ガキ帝国 悪たれ戦争』を観る可能性を探って 2019/11/15
- 詩 ロンリーアマテラス(抄) 2019/10/29
- シナリオ 盤獄の一生 2019/10/28
- 随筆・エッセイ 「ホスピタル、徂ったり徠たり」(抄) 2019/10/25
- 詩 親父が死んだその夜は 2019/10/14
- 小説 紙になった男 2019/08/31
- 小説 R共和国奇譚・・・食虫花 2019/08/31
お知らせ
文学館・記念館等リンク
【北海道】
- 小諸市立藤村記念館
- 群馬県立土屋文明記念文学館
- 塩原もの語り館
- 山本有三ふるさと記念館
- 立松和平文庫
- さいたま文学館
- 三鷹市山本有三記念館
- 新宿区立漱石山房記念館
- 世田谷文学館
- 小田原文学館
- 大垣市奥の細道むすびの地記念館
- 新美南吉記念館
電子文藝館は、2016年11月に開設15周年を迎えました。
デジタル時代を迎え、文字でものを書くという表現行為をする私たちにとって、デジタル環境の進化に遅れずに同伴することは必須の行動です。15年前、私たち日本ペンクラブの有志が集い、機関決定を経て、2001年11月26日の「ペンの日」(日本ペンクラブの創設記念日)に、日本ペンクラブの中に電子文藝館委員会が創設され、その活動の場としてデジタルライブラリー機能を持つ「電子文藝館(デジタル・ライブラリー)」を開設しました。
「電子文藝館」に掲載されている作品は、作品掲載に当って、以下のような3つの大きな源泉をもっています。
1)ひとつは日本ペンクラブの会員(先達の会員も含む)から出稿です。これは「会員」である平等な権利と自由意思にもとづき、原則(国際ペン憲章を遵守すること。個人の誹謗中傷や露骨に不用な差別的言辞などは避けること。より多くの会員に作品掲載の場を確保するため、ある程度の字数制限を許容すること。作品掲載作業をスムーズにするための著者自身による厳密な校正を行なうなど)のほかは、国民の知る権利から負託された言論表現の自由を最優先することにしています。
*もし、かりにその表現や言論により何らか問題の生じた際は、著者の思想信条において「個別に対処する」ことを原則として、委員会は関わりを持ちません。ペンクラブを退会した後も電子文藝館では作品の取り下げの要望が会員からない限り掲載を続けることが出来ます。
*なお、会員向けの作品掲載要領は日本ペンクラブのホームページに掲載されています。作品の受付は、ペンクラブ事務局が対応しますので、担当者にご相談ください。
2)作品掲載は、日本近代文学の山脈が鳥瞰できるようにという思いから幕末期から現代まで百数十年に及ぶ軌跡を対象とするようにざっくりとした網をかけています。
ペンクラブ創立以前の創作者・執筆者、またペンクラブに入会していないものの、近現代日本文学の歴史に優れた創作や執筆で寄与した人は、電子文藝館委員会(編輯室)の判断に基づき掲載を勧めることがありますので、ご協力ください。著作の権利保護期間中のものは権利関係者(当該の権利者、あるいは権利継承者)の許諾を得た上で、随時適宜に氏名と作品を顕彰し大切に掲載・保存したい、と思っております。
3)日本文学を世界に発信するため、2010年の国際ペン東京大会開催を機に電子文藝館には、日本文学の英訳作品を掲載する国際版(インターナショナル・エディション)を設けています。日本ペンクラブの歴代会長の英訳作品、休刊となった「ジャパン・ペン・ニューズ」(英語版ペン会報)掲載の英訳作品などを読むことができます。今後とも継続して英語のみでなく多言語に翻訳された作品の掲載を目指します。
デジタル環境は、この15年間だけでも、大きく変革され、さらにその流れは加速しております。それでも、活字で紙に印刷された状況に比べると、文字をめぐる電子的な環境には、まだまだ「制約」があります。そういう制約をうけながらの作品掲載です。
近代日本文学史の作品群という香りはできるだけそのままに近い形で読者の手にお届けしたいと思っていますので、歴史的な表記も可能な限り尊重し、本字、旧かな、ルビを遣った作品も送り出しております。作品が受信されるどんな機器でもできるだけ「文字化け」せぬよう配慮もしています。ただし、それでも、技術的に表記不可能な漢字や記号もまだまだあります。デジタル環境の技術的な進歩を待つ部分も多々あります。それまでは、編輯室の「約束」に従って、適宜に工夫しながら発信を続けることもお許しいただかなければならない、と思います。どうぞ、ご理解ください。
同じ作品でも、版により、また刊行時期により、また著者の推敲により、表記などに若干の異同のある場合があります。作品価値を左右する差異でないかぎり、編輯室の判断により使用した底本や参考本を尊重して、訂正した旨を明示することにしています。これは、電子文藝館開館当初からの方針です。作品に研究対象としての厳密さを求めるよりも、将来の社会を背負い立つ若い読者にも日本近代文学の作品群を読んで楽しまれることを優先しているからです。この点もご理解をいただければと思います。
日本ペンクラブ電子文藝館・館長/浅田次郎
電子文藝館委員会・委員長/大原雄