検索結果 全1000作品 公開年逆順 公開年順 作家名逆順 作家名順 作品名逆順 作品名順

  • 評論・研究 大原 雄 全身芸術家・高村光太郎の実像 初出年: 2010年

    今回の講演では、「全身芸術家・高村光太郎の実像」という演題で、お話をしたいと思っていますが、私は、ジャーナリストとして活動しているので、詩人でも、研究者でもない。ひとりの市井の読者として対応しているから、高村光太郎について、例えば、詩人として詩作体験を踏まえて何かを語る訳でも、評論家や研究者として、人物論を語る訳でもないということを予めご承知置き願いたい。私の話のポイントは、全身芸術家という聞き慣れないことばにあると思っていますので、このキーワードが、でてきたところは、注意して聞いて下さるとありがたいです。 &nbsp; <

  • 高崎 乃理子 時の声が聞こえてくる(抄) 初出年: 2010年

    たんぽぽよ たんぽぽの花が 野原を うめつくす 線路は春にうもれて この風景を 越え あの日に つながっていく たんぽぽよ もう帰れない あの春の日にも 咲いていたね はじめてのわかれ 指切りをした ふたりの足もとで 咲いていたね

  • 福地 順一 津軽・抄 初出年: 2010年

    鬼灯(ホズギ) 倉の白壁(スロカベ)サ 秋陽(シ)コ照(アダ)てだ 軒下

  • 随筆・エッセイ 碓井美樹 BASIC & FUN 初出年: 2010年

    キッチングッズ、器から、文房具、バック、コスメまで MIKI USUIの雑貨ライフ はじめに 職業柄、モノはたくさん持っているほうだと思います。買い集めているというよりは、モノとの出会いが多いので、結局、手に入れる機会が多くなるのでしょう。この本を執筆するにあたって、何をとりあげようかとかなり迷いました。2008年6月末から、ここサンフランシスコで暮らしているのですが、東京の家に残してき

  • 秋田 高敏 紺青色の便箋紙 初出年: 2010年

    珊瑚礁の海から便りが届いた 自由奔放な雲に託されて &nbsp; あれからあの島も 人間が住めなくなりました 椰子茂る孤島になりました もう 爆弾も落ちて来ませんが 敵味方の屍が寄り添いながら 静かに眠っています 波が一日中子守歌を歌っています &nbsp; 戦争は もう起きないでしょうね 近

  • 網谷 厚子 アンモナイトの夢 初出年: 2010年

    人工衛星の破片が 降りしきる 生まれたままのすがたで あたしたちは 濡れて歩いた ここちよい冷気が やわらかに吹きつける ときに からみあい せめぎあって すくい上げる仕草で 果てると きらきらした舗装道路は 腔腸動物となって ぬめぬめと切なく波うつ 散るのは 花ばかりではない 衛星も あたしたちも 同じ

  • 青柳 暁美 誰のもの 初出年: 2010年

    地球はただ1つ 太陽が悲しみ 月が悲しみ 地球が悲しむ 五つの大陸は 誰のもの 人類は地球にいる 大陸の気候風土にあった 海や花や鳥 草や木 山や川 けだものや魚が住み 風の吹くままに地球が動く 人類にたえまなく生命の源を応援しながら なのに地球が病気 だから人類も病気 地球の全部をひとりじめにしないで 分けあえば 太陽が笑い 月が笑い

  • 有馬 敲 広島のクスノキ 初出年: 2010年

    目立たない一本のクスノキになって ぼくは平和記念公園の片隅に立っている ケータイを耳にあてて話す娘 デジカメをビルの残骸にむけて構える若い男 キャリーバックを引きずっていく老夫婦 その他大勢の見物客の雑音のうしろで ぼくは静かに呼吸している &nbsp; みじめに戦争に敗れたとき ぼくははじめて元安川の右岸に立った 放射能は草も木も生やさないのか 満干する潮の流れを見つめ </p

  • 朝倉 勇 木はさよならを 初出年: 2010年

    木は さよならをいわない くりかえしを生と知るこんにちはだけを 不動のままで季節ごとに示してきた 鳥は 切ないほどに木の気持がわかって そこに自分の命を賭けようと思うのだ &nbsp; 木が冬の風のなかで 一本一本のほそい枝先までさらすとき 鳥は自分がつくった巣の造形までも すっかり見られてしまうことに羞恥をおぼえる あれでよかったのだろうか (見られてしまう日のあることなど考え

  • 安宅 夏夫 漁夫とその家族 初出年: 2010年

    シャバンヌ『貧しき漁夫』に &nbsp; 夕暮 私たちは道に迷ってしまった 泣いている幼い兄妹のように 海と湖の間にある砂丘の中で。 砂丘を覆う防砂林は奥深く拡がっているので 海鳴りはあちらからもこちらからも 聞こえてくるように思われた &nbsp; 私たちがここに来るとき 通り過ぎた湖水の岸辺に 四つ手網をあやつって わずかな小魚を獲っている た

  • 原田 道子 愛シテイル 初出年: 2010年

    触れあおうとする指先があつくなろうとしている いるはずだが このところずっと手をつないでいないからね &nbsp; だから だからなかなかうまく笑えない とてもとおおぅい とおおうすぎる「太陽」と「月」は &nbsp; 億年の未来から眼をさらのようにしているはずなのに 喃語は なおのこと奪っていないはずなのに &nbsp; ふかふかのまみど

  • 日原 正彦 木の人 初出年: 2010年

    心のやさしい人は 木から生まれたのである &nbsp; おはよう と言って彼が去ったあと 両耳のまわりで 何だか さえずりみたいなものがくすぐったりする &nbsp; 彼が立っているのを遠くから見ていると 空ってこんなに満ちあふれているのかと思ったりする もっと立っていると 雲のひそひそ話が聞こえたりすることもあるけれど <p class="sepa

  • 後山 光行 ハクセキレイとともに 初出年: 2009年

    田舎道を歩いていると 小鳥が溝からあがって来て 尾を振りながら小走りに道を横切る ハクセキレイだと思うが まだ日本も捨てたものではないと ちいさな風景を見つめる &nbsp; 働いて働いて毎日疲れていた頃 直線で冷たい人工構造物のなかで 体温の冷めていくのを感じる日々があった &nbsp; わずかな記憶を思い浮かべると フロリダ

  • 短歌 河村 郁子 追い風 向い風 初出年: 2009年

    (Head Wind Tail Wind) フライト 久々の太平洋上飛行にて座席の画面はフライトマップ 風向は追い風 高度は一定11,887m <p class="w

  • 随筆・エッセイ 三木 邦裕 個人情報保護 初出年: 2009年

    Aは、街を歩いていた。 街といっても、白い布状のものが建物らしいものにかぶさり、そこが何を売っているのか、それとも普通の家なのか分からない。 勿論、表札を出している家は一軒もない。 道らしきものを辿っていくと、川らしきものにぶつかる。 しかし、それが何という川なのかとうの昔に忘れ去られてしまった。 今は、個人情報保護法が21世紀の初めに施行されてから、多分1000年以上の時が経っている。しかし、正確な時を知ることはできない。皆、自分で工夫をして時を計っている。 Aは、太陽の位置と

  • 評論・研究 川野 純江 夏目漱石の文学の「開花」 初出年: 2008年

    一 『三四郎』の二人の女――美禰子とよし子―― (一) 大作『三四郎』――三つの世界―― 東京帝国大学文科大学学生小川三四郎の「あまりに暖か過ぎる」青春の物語『三四郎』は、若さのもつ単純な美しさに充ちている。『三四郎』は多くの人の共感を呼び、漱石中期の人気作である。 その『三四郎』で、注目されるのは、「三四郎には三つの世界が出来た」ということである。この特色ある文学空間の創造によって、三四郎の青春は花開いている。では漱石は「三つの世界」

  • 随筆・エッセイ 浅見 夏妃 『世界の美女達に乾杯!』抄 初出年: 2008年

    トルコ、また行く! 十年ほど前に旅行業界の仲間達と休暇で、ほぼトルコ一周(・・・・・・・)旅行をしました。帰りの飛行機の中で〝またすぐ来なくっちゃ!〟と堅く決意をしたものの、まだ行けていないのです。 そうこうしているうちに宗教がらみ(?)の爆弾テロまで何度か起こって、行くの怖いなあ……と思いながら、でもやっぱり素敵な国だ!と思い起こさないわけには行きません。 &nbsp;

  • ノンフィクション 橋爪 文 LE JOUR OÙ LE SOLEIL EST TOMBÉ… 初出年: 2007年

    J’avais quatorze ans à Hiroshima &nbsp; Le matin du 6 août 1945, je suis sortie de la maison et j'ai regardé le ciel. Comme souvent en cette saison, le ciel ...

  • 評論・研究 山本 壽夫 芸能都市論 初出年: 2007年

    1 祭りと芸術 芸能の始まりは、神祭りと深い関係を持つ。そこで、まず西欧の祭りと芸術の関係を調べ、次に日本の祭りと芸能の関係について述べることにする。 西欧の場合、祭りと芸術の関係は、ディオニュソス神の祭祀を執行する円形劇場が古代ギリシャのアテナイ市に作られた紀元前6世紀まで辿ることができる。これは、都市の集落的性質を色濃く反映するものであり、収穫祭から発生して後に芸術へ向かうギリシャ悲劇の誕生過程を表している。つまり、ギリシャ悲劇は、ディオニュソスの祭りから生じ、紀元前5世紀にアテナイ市に出現した三大悲劇詩人である、アイスキュロス、ソフォクレス、

  • 酒井 力 詩集『白い記憶』抄 初出年: 2007年

    第Ⅰ章 白い記憶 &nbsp; 白い記憶 &nbsp; 八十歳を迎えようとするとき 父は地元の「医師会報」にと 自分の歩んだ道を 体験談を交え 口伝で私に書き記させた 戦時中に父が書いた ガリ版刷りの戦時記録を 初めて目にしたのも その時だった &nbsp;