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検索結果 全1058作品
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詩 海潮音(抄)
薄暮の曲 シャルル・ボドレエル 時こそ今は水枝(みづえ)さす、こぬれに花の顫ふころ、 花は薫(くん)じて追風(おひかぜ)に、不断の
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短歌 比叡・愛宕嶺
加茂川にゆりかもめ間近くとびかうは「昔男」の知らざりし景 川岸のバス停に降り暫くをゆりかもめ舞いたつ様を見て佇(た)つ パン屑を投げ与えいし人去りてゆりかもめ所詮は川瀬に泛(うか)ぶ 鴨川のゆりかもめ琵琶湖を塒(ねぐら<rp
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評論・研究 富岡鉄斎と宜興紫砂器
初めに 『銕荘茶譜 瓷壷之部』と題され袖珍版(15cm×9.4cm)、四十六頁、四つ目綴の一書、内扉に「周高起伯起原本 銕斎居士訳 宣興瓷壷譜 蕉陰艸堂蔵」とある。 富岡鉄斎が慶応三年(1867)十一月十三日の日付で、明、周高起による宜興紫砂壷(紫泥、朱泥の急須)の創始とその作家列伝を記した「陽羨茗壷系」を抄訳したものである。ただし表題に「宣興(センコウ)」とあるは「宜興」の間違い。 <p
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評論・研究 宗教と文學
宗教の相関する所や広し、文学豈(あに)独り此の関係に漏れんや。されどもヒポコンデル的宗教家は謂(おも)へらく、凡そ文学と称するもの、其の詩たると小説たるとを問はず、宗教思想の鴆毒(ちんどく)にあらざるはなしと。而して俗臭的文学者は謂(おも</
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評論・研究 大学出版部はオールドファッションか
《目次》大学出版部への注目」大学出版部設立ブームの実態」紙の出版への憧憬」 大学出版部への注目 このところ大学出版部をめぐって、いくつかの話題が提供されている。直近では4月に開催された東京外国語大学出版会の
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評論・研究 日本國國憲案 附・大日本帝國憲法
第一編 國家大則及権限 第一章 國家ノ大則 第二章 國家ノ権限 第二編 聯邦大則及権限 竝ニ各州ト相関スル法 第一章 聯邦ノ大則 第二章 聯邦ノ権限竝ニ各州ト相関スル法 第三編 各州ノ権限及聯邦ト相関スル法 第四編 日本國民及日本人民ノ自由権利 第五編 皇帝皇族及摂政 第一章 皇帝ノ威厳 第二章 皇帝ノ権限 第三章 皇帝及皇帝ノ継承 第四章 皇帝ノ即位 第五章 皇帝ノ婚姻 第六章 ...
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評論・研究 自由民権 請願の波
馬上の人 河野広中(こうのひろなか)といえば、東北では板垣退助とならぶほどの評判だった。 福島県三春(みはる)の郷士(ごうし)、呉服太物(
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随筆・エッセイ 『木を植えた男』と出会って
ある日のこと、妻が一冊の絵本を持って書斎に入ってくると、こんなことを言った。 「これ面白いわよ、お読みになったら…」 そのとき私は講演の準備をしていたので、今はそれどころじゃないんだと、断ろうとしたのだが、 「感動的なお話なのよ。もう涙なしには読めないのよ。おねがいだから、今すぐ読んでちょうだい。一生のおねがい」 妻はなおもたたみかけてくるのだ。もっとも彼女が言う「一生のおねがい」は、一週間に一度くらいのぺースで耳にするので、あまり説得力はない。しかし、文学にはうるさい方の妻をそこまで感動させた絵本とは、いったいどんな
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小説 函館
1 西暦二〇〇〇年の大晦日を、柊真一郎は写真スタジオの中ですごした。どこにも出かけなかったし、誰も訪ねてはこなかった。 写真スタジオの一角が応接コーナーになっていて、テーブルや椅子、ソファー、オーディオ・ビデオのセット、観葉植物といったものが置かれている。その日の午後、柊はソファーに座り珈琲を飲みながら一ヵ月分の新聞に眼を通し、たまっていた雑誌や郵便物の整理をした。 分厚いコンクリート壁に囲まれた写真スタジオの中は、しんと静まりかえっていてもの音ひとつしない。南洋の海底に沈んだ潜水夫みたいな気分だった。ジ
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随筆・エッセイ 同志社
幕政の末路外交切迫して世運(せうん)転(うた)た危殆(きたい)に傾き、人心動乱するの時に際し、襄(じょう)(筆者自身)不肖夙(つと<r
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小説 おぢいさんのランプ
かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持つて出て来た。 それは珍らしい形のランプであつた。八十糎ぐらゐの太い竹の筒が台になつてゐて、その上にちよつぴり火のともる部分がくつついてゐる、そしてほやは、細いガラスの筒であつた。はじめて見るものにはランプとは思へないほどだつた。 そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがへてしまつた。 「何だア、鉄砲かア。」と鬼の宗八君はいつた。 東一君のおぢいさんも、しばらくそれが何だかわからなかつた。眼鏡越しにじつと見てゐてから、はじめてわかつたのである。 ランプであ
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小説 雄鶏『オサムの朝』より
修は背中で躍るランドセルを片手で押さえながら畔道を懸命に走った。ランドセルの中の鉛筆箱がかたこととくぐもった音をたてていた。麦の畑を過(よぎ)って走る線路に目をやった。 銀色の日射しが青々とした麦畑一面に降り注いでいた。南からの風がまだ穂のない麦の葉を揺らし、眩ゆい波紋を作って拡がっていく。 「まだ来ねえ」 修は左手の雑木林を窺った。線路はその雑木林のところで、ゆるく右にカーブしながら坂を下り、こんもりと茂った鎮守の森に消えている。機関車
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戯曲 ゲーテ『ファウスト』より
劇場にての前戯 座長。座附詩人。道化方。 座長 これまで度々難儀に逢つた時も、 わたくしの手助(てだすけ)になつてくれられた君方(きみがた)二人だ。 こん度の
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小説 死の家
今年の梅雨は例年にまして、雨が多かつた。雨ばかりではない。風さへ加はつて、秋のあらしの様になつて、風をきらふ弓子を、厭(いや)がらせた。 久しぶりで今日は、晴々とした、好い天氣になつた。丁度日曜日である。毎朝きまつて六時になると起しに來る小間使の初が、日曜日だけは、弓子の室の雨戸さへ、起き出るまでは開けずに置くのである。 弓子は四畳半の化粧部屋へ這入つて、初の持つて來てくれる一ぱいの桶の湯と水指の水と空虚(
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評論・研究 アポカリプス雑考
目 次 :はじめに 1.黙示と啓示の違い――アポカリプスとは 2.訳書で検証する 3.啓示について 4.黙示と啓示は同義語か 5.黙示文学の背景 6.「黙示録」のなりたち <a href
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評論・研究 最上徳内
一 昭和五年(1930)二月中の一夜、東京文理科大学附属図書館で『燈下雑記』と題する随筆を借りて見て、その中に最上徳内の『天然訓』と題する漢文の小著の収録せられてゐるのを知つた。それは『歴史地理』の二月号に島谷良吉氏の「最上徳内原籍地考」と題する一文が発表せられたのを読んで間のない頃だつた。『天然訓』の内容は「鮟鱇訓」「蝙蝠訓」「蜜蜂訓」「石豆訓」「漂流訓」「河豚訓」「饑饉訓」の七篇より成る。例を卑近に假りて道を説き、感想を述べて居り、教訓書といふよりも寧
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随筆・エッセイ ノートル・ダムと25年
遥かなノートル・ダム ノートル・ダムの姿を見なくなってから、もう一カ月半経った。十何年かのパリの生活の間、この石の伽藍(がらん)は、いつも私の視界にあった。冬の霧の中に奥深く影絵のようにかすむ時、マロニエの花の香る五月、一点の雲もない朝の空から降り注ぐ太陽の光を浴びて、白銀の爈(いろり)のように輝く時、あるい
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俳句 銀座
摘草や離ればなれに空仰ぐ 黄梅の花を漉き込む男かな 立春の頭剃り合ふ僧都かな 梅の風吸ふ心体のいとほしく 春雪を被ぎて歩む雀かな かの子忌や昨日の雪の流れゆく うつくしく身のはがれゆく蒸鰈 蜆汁海の濃青を吸ひ上ぐる 芽木渡る谷の雀は谷を出ず 薄氷を割りて面舵一杯に
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小説 月夜野に
〔目 次〕 ビデオ作りへゆり一輪母の秘密哲朗おじさんのなぞ踏みにじられておじさんと収容所人間を悪魔に<a href=
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「駅おたく」 友だちは、ぼくをそう呼ぶ。 駅が大好きで、ぼくが東京駅にのめりこんでいるのは事実だから、反論はしない。けど、だれだって、すこしは何かに入れこんでいる、とぼくは思う。ラジコン飛行機とか、キャラクターグッズとか、パソコンとか。 友だちに、まんがおたくや、パソコンおたくはいるけれど、最初ぼくは“おたく”じゃなかった。友だち大ぜいといっしょに遊んでいたんだもの。 十二、三人の友だちと東京駅の通りぬけ通路を、だあっと走って丸の内側に出る。出たときの景色がさ、今来た八重洲側とち