詩集『かんさつ日記』(抄)
ピオーネ
ピオーネ ピオーネ
ぶどうだね
ひとつぶ ひとつぶ
ぶどうの
むらさきいろに かがやいて
ほっぺに
ピオーネ ピオーネ
うれしいね
あやめの歌
むらさき
あやめの
あやめの
どこかで
また
ここは
きょうちくとう
きょうちくとうは
夏のこどものように
げんきな花です
かきねのうえまで すくすくのびて
かぞえきれない
お
きょうちくとうは
母のにおいのする
ふるさとの花です
きょうちくとうの咲く
むかえてくれた母の
花 まる一年生
えんぴつが うまくもてない
おえかきは まるがさんかくになる
かけっこ まっすぐはしれない
せんせい わらって見ている
花まる一年生 みんなげんき
しつもんに よく
まちがえても へっちゃらのかお
おはなし みんなじょうず
きゅうしょく だれものこさない
花まる一年生 きょうもげんき
だれですか じぶんで
花まるいっぱいつけたひと
あわてんぼう わすれんぼう
おかえりの じかんです
さよなら バイ バイ
てをふって
うわばきのまま とびだした
じぶんのくつの わすれもの
あわてんぼう わすれんぼう
わすれものに きがついて
もういちど バイ バイ
またあした
こんどはなんの わすれもの
れんらくちょうに べんとうばこ
あわてんぼう わすれんぼう
いつもママを こまらせる
おにぎりのうた
おにぎり おむすび
おむすび おにぎり
おなじかな おなじだよ
ごましおふって のりまいて
おかかに こんぶ しゃけ たらこ
ころころにぎって できあがり
どれにしようか おいしそう
いただきます ごちそうさま
ポプラのファッションショー
ポプラさんの ファッションショー
さいしょは
やわらかい
とっても
つづいて
こぼれたような
どこからか チュンと
ポプラさんの
すてきなブローチね
さあ
トレンチか ビニールコート
ポプラさんは お
姿
かわうのうた
かわうの う
かわうの う
かわうの うのじは
かわうに にてる
うえのこうえん
しのばずのいけ
う う う
あっちにも
う う う
こっちにも
くいのさきにも
かわうの う
くびをのばせば
うのじものびる
あ あ うのじが
はねをひろげて
とんでいった
干潟 の譜
コノハエビが
まばたきをした ムツゴロウ
アサリの
潮が
やがて海がかえってくる
にぎわうひとときの
やすらぎと
たくさんの
かんさつ日記
スイカの
カボチャの種も まきました
あっちにスイカ こっちにカボチャ
やがて
ちいさな
スイカは
そして
どちらも
みるみる
あれれ あっちにカボチャ
こっちもカボチャ
スイカはどこだ スイカはどこだ
あーあ 種をまくときまちがえちゃった
日本ペンクラブ 電子文藝館編輯室
This page was created on 2016/03/14
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