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戦争を呪ふ

天の星、野べの百合にも平和(やすらぎ)の、色は満てるを、(しこ)(いくさ)よ。

血の酒杯(さかづき)、舌つゞみ打つ醜人(しこびと)を、滅亡(ほろび)にさそふ天の火もがな。

バイブルを血汐に染めて、十字架を、(つゝ)にかざらん宗教家(おしへびと)はや。

(あめ)も知れ、(つち)も記すべし、此民(このたみ)は、人を(ほふ)りて人の道と云ふ。

教会(みや)のうち、はやす悪魔の讃美歌よ、(いくさ)に勝てと捧ぐ祈禱(いのり)よ。

醜国(しこくに)司人等(つかさびとら)よ、孤児(みなしご)と、寡婦(はゝ)が血に泣く、声を聞かずや。

(たゝか)ひの毒酒に酔へる人の子に、神の怒の鞭よ()()ね。

日本ペンクラブ 電子文藝館編輯室
This page was created on 2009/02/28

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山口 孤剣

ヤマグチ コケン
やまぐち こけん  評論家、詩人、歌人 山口県生まれ。1883(明治16)年~1920(大正9)年。山口孤剣が37歳の若さで亡くなった時、堺利彦は日本社会主義同盟の機関紙「社会主義」に寄せた追悼文で「演説にも文章にも常に火のような気焔を吐いていた」と人物像を描いている。いわゆる「大逆事件」前後まで、この時期の社会主義運動の若い最も熱心な活動家であった。明治40年代には平民短歌を提唱した。

掲載作は、1904(明治37)年9月、「週刊平民新聞」初出。「明治文学全集83 明治社会主義文学集(一)」(1965年7月、筑摩書房刊)に拠り収録。

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